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上場会社監査事務所とは

以前、有限責任監査法人を調べていくうちに出遭ったのが「上場会社監査事務所」という制度です。これは、日本公認会計士協会(以下、「JICPA」)が「社会的に影響の大きい上場会社を監査する事務所の監査の品質管理体制を強化し、資本市場における公認会計士監査の信頼性を確保するために」平成19年4月から導入した登録制度になります。

当時、上場会社約3,800社を監査していたのは、実は約270にものぼる監査事務所だったようです。いくら上場会社といえども、厳格な監査の実施について何らかの疑義が生じていたということを証明している気がします。また「公認会計士監査の信頼性を確保するため」と謳ってしまうと、信頼性を失っているということを自認しているようにも見えてしまいます。(ちゃんとやっているところも多々あるはずですが、中央青山監査法人のような超一流ですら粉飾決算に加担・解散に追い込まれた事実は、相当、信頼性を毀損したはずです。)

この制度は、法律を根拠としたものではない「自主規制」の類になるのですが、そうはいってもJICPAの協会会則に基づくものになるため、実質、強行規定といえるでしょう。このルールに従い、以下の3つの名簿が公開されています。
1. 上場会社監査事務所名簿:登録が認められた上場会社監査事務所
2. 未登録監査事務所名簿:登録未申請、登録未認可、登録取消事務所
3. 準登録事務所名簿:上場会社監査を行いたい事務所(任意登録)

興味深いのが各々の件数です。1.は「175件」、2. は『0』件、3. は「40」件あることです。
更に、1. を(1)措置、(2)懲戒、(3)その他の各々3つで絞り込んで検索すると・・・(1)措置「6件」、(2)懲戒「1件」、(3)その他「2件」となります。

(1)措置とは・・・品質管理レビューで、監査の品質管理の状況等に相当の疑念があると認められた場合に、A注意・B継続的専門研修の履修指示・C限定事項等の概要の開示・D登録の取消と開示の4種類の措置が講じるられることになっており、この措置のうちCとDが公表されます。

(2)懲戒とは・・・行政による懲戒処分、公認会計士・監査審査会からの行政処分その他の措置の勧告、協会会則上の懲戒処分を受けた場合に一定期間、その旨が公表されます。こちらは、1件のみだったわけですが、その1件というのが10月24日付け金融庁からの業務一部停止処分によるものです。

この業務停止処分は、JICPAからの勧告に基づくのですが、驚いたことに処分対象となった監査法人夏目事務所は、監査をしている会社の財務諸表を自らが作成していたのです。・・・自分が作った書類を自分でチェックしてお墨付きを与える・・・って監査の意味が全くありません。

これは、公認会計士法第34条の11の2に違反しているということで下った処分になります。簡単にいうと、公認会計士は、監査をすることを業とし(同法第2条)、財務諸表等を作成することができる(同条第2項)ものの、財務諸表を作成したときは、監査をしてはいけないということになっています。(大会社等に係る業務の制限の特例)

大会社等とは、会計監査人設置会社や金商法監査会社のことをいい、要は上場会社+α(銀行・保険会社やその他有価証券報告書提出会社)のことを指します。もっとも、公認会計士法は実態に鑑みて中小会社について、財務諸表の作成と監査を認めているということです。

それにしても、ずいぶんとお粗末な話・・・と思ってしまいました。

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